妊娠中は非妊娠時よりも栄養を多く摂取しないといけません。
妊娠中期から後期にかけては特に鉄分が不足しますので、
貧血になったり無性に氷が食べたくなる「氷食症」という症状が出ることがあります。
そこでおすすめなのが小松菜です。詳しく見ていきましょう。
妊娠中に小松菜がおすすめな理由
小松菜には100gあたり2.8gもの鉄分が含まれています。
野菜で鉄分が多いものと言えばほうれん草が思い浮かぶかと思いますが、
ほうれん草よりも小松菜の方が鉄分が豊富に含まれています。
妊娠初期の1日の鉄分摂取量は9.0mg(付加量+2.5mg)に対して
妊娠中期から後期にかけての1日の鉄分摂取量は16.0mg(付加量+9.5mg)となっています。
これは、赤ちゃんの体や臍帯(赤ちゃんと胎盤をつなぐ器官)
や胎盤に鉄を貯蔵したり、循環する血液量が増加し、
赤血球の量も多く必要になるためとなります。
小松菜はどれくらい食べたらいいの?
小松菜だけで鉄分を補うのは難しいため、
小松菜に加えて鉄分の多い食品を取り入れていく形になります。
1日に摂取する小松菜は特に摂取上限はないのですが、
小松菜にはシュウ酸が含まれていますので、摂りすぎの状態が続くと
尿路結石の原因になります。
基本的には一般常識的な範囲であればあまり量は気にせず食べて問題ありません。
目安としては100~200g程度でしょうか。
生で食べると栄養は多く摂取できるのですが、
シュウ酸も多く摂取してしまいますし、そもそも量が食べられないという問題も出てきます。
シュウ酸は茹でることで減らすことができ、3分茹でると1/2~1/3消失しますので、
茹でてから調理するなど工夫すると良いでしょう。
なお、小松菜1袋の量はおおよそ200g程度となります。
小松菜以外に鉄分が豊富に含まれている食品は?
小松菜の他に野菜だとほうれん草が挙げられます。
ほうれん草100gあたり2.0gの鉄分が含まれていますので、
小松菜と交互に食べるというのも飽きがこない食べ方になります。
鉄分の多い食品を挙げていくと
豚レバー50g 6.5mg
和牛もも肉80g 2.2mg
かつお80g 1.5mg
あさり水煮20g 5.9mg
納豆1パック(40g) 1.3mg
卵1個 1.1mg
そば100g 1.4mg
プルーン100g 0.2mg
このようになっています。
鉄分が多いことで有名なプルーンですが、
100gあたりの鉄分は0.2mgと意外に少ないことがわかります。
豚レバーや牛レバー、鶏レバーについてですが、
鉄分の他にビタミンA(レチノール)が多いことでも知られています。
レチノールを妊娠初期に摂りすぎると赤ちゃんの耳の形態異常が増えることがわかっており、
妊娠初期に関しては1日のレチノール摂取上限は1500μgとなっていますが、
妊娠中期から後期にかけては、摂取上限が非妊娠時と同じになっていますので、
過剰に摂取しない限り特に問題になることはありません。
食材から鉄分を摂取することが難しい場合は、
スーパーやネットなどで雪印メグミルクプルーンFeやラブレ1日分の鉄分などが販売されていますので、
そういったものから鉄分を補うのも一つの方法です。
特にサジーというフルーツには鉄分が豊富に含まれていますので、
一度試してみるのも良いかも知れません。
小松菜の栄養は?
小松菜可食部100gあたりの栄養は、
エネルギー 14kcal
水分 94.1g
タンパク質 1.5g
脂質 0.2g
炭水化物 2.4g
灰分 1.3g
食物繊維 1.9g
カロテン当量 3100μg
ビタミンE 1.0mg
ビタミンK 210μg
ビタミンB1 0.09mg
ビタミンB2 0.13mg
ナイアシン 1.0mg
ビタミンB6 0.12mg
葉酸 110μg
パントテン酸 0.32mg
ビタミンC 39mg
ナトリウム 15mg
カリウム 500mg
カルシウム 170mg
マグネシウム 12mg
リン 45mg
鉄 2.8mg
このようになっています。
参照:foodslink
特筆すべき栄養は鉄に加えて、カロテン、カリウム、カルシウムが挙げられます。
βカロテンは抗酸化作用があるのに加えて、摂取したβカロテンは体内で必要な分だけ
ビタミンAに変換され、不必要な分は体外に排出されます。
カリウムは小松菜が生の状態ですと500mg含まれていますが、
茹でると減ってしまうためあまり恩恵を受けることはないでしょうが、
適量摂取すると体内の塩分を体外に排出する働きがあります。
カルシウムは妊娠中期後期において赤ちゃんの骨の形成などに必要になり
分け与えないと行けない時期になりますので、
この時期は意識して摂取した方が良いでしょう。
食物繊維に関しては多くもなく少なくもなくといったところです。
例え小松菜を多量に摂取したとしても食物繊維の摂りすぎになることはありません。
小松菜のおすすめレシピは?
小松菜は炒め物や煮ものなど様々な料理に使用することができます。
そこでおすすめの料理を紹介致します。
小松菜とツナの簡単粒マスタード和え
小松菜のナムル
小松菜の辛子和え
小松菜のなめたけ和え
豚こまと小松菜ともやしのガーリックペッパー炒め
小松菜のにんにくしょうゆ炒め
小松菜シュウマイ
くだき青菜豆腐
小松菜ときのこの生ぽんみぞれ和え
青菜と豚こまの和風パスタ
一口サイズの細巻きキンパ
厚揚げと小松菜のシャキみそ炒め
小松菜とえのきの鶏そぼろあん
などなど様々な料理があります。
小松菜料理のレシピ詳細と他小松菜メニューを知りたい方は下記リンクを参照ください。
まとめ
小松菜は野菜の中で鉄分含有量がトップクラスの食材ですので、
妊娠中、特に妊娠中期から後期にかけては積極的に摂取したい食材になります。
鉄分だけでなく、カルシウムやカリウム、βカロテンも豊富ですので、
バランス良く栄養を摂取することができます。
ただし、シュウ酸を含みますので、ゆでこぼしてから食べるようにした方が良いでしょう。