妊娠中は何かと気を遣わなければいけない時期ですが、
アジは食べても良いのでしょうか?
こちらでは妊娠中のアジについて紹介致します。
妊娠中アジは食べても良いの?
妊娠中のどの時期においても中心部までしっかりと火が通っていれば、
アジは食べても構いません。
むしろ鉄分が多く含まれていますので、
お勧めの食材と言えるでしょう。
アジの刺身やなめろうなどの生ものは食中毒の可能性がありますので、
できることなら食べない方が安心です。
どれくらいの量食べてもいいの?アジフライは?
アジは68g(1尾可食部)あたり82kcalあります。
100g換算で121kcalとなります。
妊娠中に1日に摂取すべきカロリー量は普通の生活を送っている人で、
妊娠初期 2050kcal
妊娠中期 2250kcal
妊娠後期 2450kcal
となっており、そのうちおやつで摂取するカロリーは
厚生労働省の食時バランスガイドによると1日200kcal以下が推奨されていますので、
これを引いて、1日3食摂取するとした場合の1食のカロリーは、
妊娠初期 633kcal
妊娠中期 700kcal
妊娠後期 783kcal
となります。
ですので、仮にアジの定食にした場合、アジにご飯、お味噌汁、副菜がつきますので、
アジは4~6尾程度食べても良い計算になります。
これがアジフライになるとアジフライ1枚で114kcal程度ですので、
1食に2~3枚程度は食べても良い計算になります。
とはいえ、量のことはあまり気にせず通常量であれば全然問題になりませんので、
神経質になる必要はありません。
アジの栄養は?
100gあたりの栄養になりますが
タンパク質 19.7g
脂質 4.5g
炭水化物 0.1g
マグネシウム34mg
カルシウム 66mg
カリウム 360mg
ビタミンD 8.9μg
DHA・EPA 870mg
鉄 0.6mg
このようになっています。
高タンパク質低糖質のため、体重を意識されている方には
とても良い食材と言えますし、タンパク質は胎児にも栄養として送られますので、
大切な栄養の一つとなっています。
DHA・EPAに関しては、多く含まれている魚ではなく、中程度の量含まれている魚ですが、
それでも結構多く含まれており、摂取することにより記憶力や集中力が向上する他、
中性脂肪を減らしたり、悪玉コレステロールを減らしたりする作用もあり、
DHA・EPAは赤ちゃんの脳の発育・脳機能の向上に大きく関係していますので、
特に妊娠中期から後期にかけては積極的に摂り入れたい栄養になります。
鉄分は貧血予防になりますし、血液を作るのに欠かせない栄養になります。
ですので、アジを含め青魚は積極的に食事に取り入れたいです。
なお、毎日食べても問題ありません。
ですが、毎食アジだけ食べるとなると栄養の偏りが気になりますので、
毎食食べるということはせず、様々なものから栄養を摂り入れるようにしましょう。
生はなぜ控えた方が良いのか?
生アジを控えた方が良い理由としては、食中毒の可能性が挙げられるのですが、
考えられる食中毒としては、腸炎ビブリオ、リステリア菌、アニサキスが挙げられます。
まず、アニサキスについてですが最近急増している食中毒で、
アニサキスという寄生虫が胃腸を刺してひどい腹痛を起こします。
胎児には影響はなくアニサキスを取りさえすれば治まるのですが、
激痛が苦しいため注意は必要です。
なお、アニサキスは加熱するか-20℃で24時間冷凍すれば死滅しますので、
冷凍した鯵であれば心配する必要はありません。
次に腸炎ビブリオですが、最近ではあまり聞かない食中毒になります。
これは保存がしっかりとされているため、日本においてはほぼ気にする必要はない食中毒ですが、
個人で釣ってきたアジについては、腸炎ビブリオが増殖して食中毒になる可能性があるため、
よほど新鮮なものでない限り、しっかりと火を通した方が良いでしょう。
問題になるのはリステリア菌の食中毒で、
妊娠中に食中毒になると、稀に重篤化し、その場合胎児にも影響する可能性があるため、
注意が必要な食中毒と言えます。
とはいえ、食中毒になる確率は極めて稀なケースですので
あまり聞き慣れませんが、この3つの中で胎児に影響するのは
リステリア菌ですので、心配であれば生アジを食べないことお勧めします。
リステリア菌に感染するとどうなるの?
潜伏期間は3~4週間程度で母体の症状としては、無症状の場合と軽いインフルエンザ様の症状が出ます。重篤な症状になると敗血症や髄膜炎になることもあり、海外では死亡例も確認されています。
参照:MSDマニュアル家庭版
参照:厚生労働省
母体だけなら、特に重い症状にはなりにくいのですが、問題は胎児です。
リステリア菌に感染すると胎盤を通して胎児にも感染する可能性があり
その場合、20%程度の確立で流産もしくは子宮内胎児死亡があったという研究データがあります。
また、生存し分娩に至った児のうち68%に新生児リステリア感染症が認められ、
肺炎、敗血症、髄膜炎が主な症状であり、治療しても24%が死亡、12%に神経学的後遺症を認めたとあります。
参照:佐野産婦人科
胎児にリステリア菌が移行する場合、母体は高熱などひどい症状が出た場合で、
これを侵襲性リステリア症というのですが、この場合胎児に影響を及ぼす可能性があり、重篤になる可能性もありますので、
リステリア菌には十分に注意しなければいけません。
アジの水銀は大丈夫なの?
結論から言うとアジにはあまり水銀は含まれていませんので、水銀を心配する必要はありません。
水銀で心配しなければいけない魚はインドマグロやクジラ、イルカ、金目鯛、ユメカサゴ
その他、厚生労働省のリストに載っている魚種が注意が必要で
1週間に食べても良い量が決まっています。
参照:厚生労働省
まとめ
妊娠中のどの時期においてもアジは食べても構いませんが、
リスクを避けるのであれば生ものは口にせずしっかり火が通ったものを摂取するようにしましょう。
アジは低糖質高タンパクですので、体重が気になる方にとっては非常にお勧めの食材で、
それだけでなく、DHA・EPAも豊富に含まれており、
血液を作る鉄分も多く含まれていますので、
妊娠中だけではないですが、積極的に摂り入れたい食材になります。