妊娠中は何かと気を遣わなければいけない時期ですが、
オムライスは食べても良いのでしょうか？
特に半熟のとろとろ卵は大丈夫なのでしょうか？
こちらでは妊娠中のオムライスについて紹介致します。
妊娠中オムライスは食べてもいいの？
オムライス自体は、妊娠中に食べてはいけない食材などは入っていないため、
食べても問題ありません。
気になるところは半熟卵だと思います。
結論を言うと、日本では新鮮な卵を使用していれば半熟卵であっても
食べても問題ありません。食中毒になることはほぼほぼありません。
ただし、作ったオムライスを長時間常温で置いておいたものや
長期間冷蔵庫で保存していた物は菌が繁殖して食中毒になる可能性がありますので、
出来たてを食べるようにしてください。
なぜ半熟卵でも食中毒にならないのか？
実際どれくらいの割合でこの食中毒にかかるのか見ていきましょう。
2009年とちょっと古いデータになりますが、2000年以降減少傾向にあり
年間患者数は3000人程度で推移しているようです。
原因としては、鶏卵と鶏肉になるのですが、傾向としては
仕出し屋、給食施設、宿泊施設が多く集団食中毒が起こっています。
大規模な食中毒としては1999年に1件、2002年に3件、2007年に1件発生しています。
参照：IASR
この集団食中毒は生卵が原因というわけではなく、
鶏肉を切った包丁を洗わずに野菜を切ったなど、
鶏肉からサルモネラ菌が他の食材へ移行し増殖したものと思われます。
この食中毒は食中毒菌であるサルモネラ菌が1個や2個摂取しただけでは発症せず、
通常は1万～10万個程度の菌を摂取すると発症するようです。
もちろん体調や抵抗力、大人と子供の違いや妊娠中であるかどうかによって
違いはありますので、参考程度にとどめておいてください。
参照：こおらす
では、次に新鮮な卵にどのくらいの割合でサルモネラ菌が存在するのか見ていくと、
日本で流通する生卵の汚染率は5000個～2万個に1個と考えられており、
その汚染された卵の中にいるサルモネラ菌の数は1個あたり10細胞程度のため、
汚染卵が新鮮な場合（賞味期限内で正しい保存法をしている場合）は
基本的に発症には至らないようです。
参照：食品微生物学（検査と制御方法）
とはいえ、妊娠中は抵抗力が低下していることと、サルモネラ食中毒の可能性が0％ではないので、心配な場合は生卵や半熟卵を口にしないでください。
もちろんですが、保存方法がちゃんとされていない卵や
生食用ではない卵、賞味期限を過ぎた卵はしっかりと加熱して食べるようにしてください。
新鮮な卵でしたら基本的にサルモネラによる食中毒は気にしなくても良いでしょう。
他のサイトでは半熟卵に注意とあるが？
他のサイトでは半熟卵に注意しましょうと書いてありますが、
上記の説明の通り、日本の場合は基本的に生食用として卵は販売されており、
賞味期限内なら生で食べても、例え汚染卵の場合であったとしても
保存が冷蔵保存でひびが入った卵など特別な状態でない限り、
サルモネラ菌は10細胞程度で、食中毒にかかる菌の数は1万～10万個ですので、
妊娠中であっても、新鮮な卵でしたらサルモネラ菌の心配をするのは
心配しすぎにあたると考えます。
※あくまでひびなど異常の見られない保存方法（冷蔵保存）をしっかりとした新鮮な日本の卵に限ります
妊娠中で病気をしていて免疫力が相当落ちているという場合は、
少し注意した方が良いかもしれませんが、
病気など体調不良でない場合は、基本的に半熟卵などを食べても問題にはなりません。
毎日食べてもいいの？
毎日食べても構いませんが、栄養バランスが偏る可能性がありますので、
こちらではたまに食べるのが良いとさせていただきます。
つわり時期でオムライスしか食べられないと言う場合は、
食べられる時に食べられるだけ食べるというのが基本的な考えですので、
毎日食べても問題ありませんが、
つわりが終わって何でも食べられるようになったら栄養バランスや塩分のことを
意識した食生活に戻してください。
なお、オムライスの塩分は1食あたり大きさにもよりますが、
3～4g程度の塩分が含まれています。
妊娠中の1日に摂取しても良い塩分量は厚生労働省によると6.5g未満と言っていますので、
これに当てはめると、毎日オムライスを食べると塩分の摂り過ぎになる可能性があります。
塩分のことも考えるとやはりオムライスはたまに食べる分にとどめておいた方が良いでしょう。
まとめ
オムライスの卵が半熟であっても新鮮な卵を使用しているのであれば、
妊娠中に食べても日本の場合は問題ありません。
サルモネラの食中毒の主な原因は生の鶏肉を切った包丁やまな板を
洗わずにサラダなどに使う生野菜を切ったり、
何かの拍子に鶏肉の横に置いていた加熱しない食べ物に菌が移り繁殖した
などが原因となっており、新鮮な卵においては基本的にはサルモネラ菌による食中毒には
なりませんので、半熟卵でも食べても良いというのがこちらの見解です。
どうしても半熟卵が心配という場合は、しっかりと火を通す（中心部が75℃以上で1分以上加熱）
ことによりほとんどの種類の菌は死滅しますので、安心して食べることができます。
