妊娠中は生ものをできるだけ控えるように言われたりしますが、
生サーモンを食べてしまった場合、大丈夫なのでしょうか?
こちらでは妊娠中の生サーモンについて紹介致します。
妊娠中生サーモンを食べてしまった場合どうなるの?
妊娠中に生のサーモンを食べてしまった場合ですが、
結論から言うと、ほとんどの場合何も起こりません。
考えられる食中毒としては、アニサキスとリステリア菌による食中毒ですが、
リステリア菌については、仮に摂取したとしても稀に感染する程度で
ほとんどの場合何も起こりません。
また、胎児に影響が出る場合についてですがリステリア菌に感染し
さらに重症化した場合にのみ胎児に影響が出ることがある程度なので、
生サーモンを食べた後、3週間程度変化がなければ問題ありません。
アニサキスについてですが、最近ニュースなどで販売されている刺身などから
アニサキスの食中毒にかかったとして営業停止処分を受けているお店を耳にしますので、
リステリア菌よりもこちらの方が心配です。
ですが、アニサキスは-20℃で24時間以上冷凍すれば死滅しますので、
回転寿司などに出てくるサーモンは基本的に心配はいりません。
むしろ、冷凍しなくても運んでいけるスーパーなどで販売しているサーモンなどの刺身の方が心配です。
アニサキスは摂取してからどのくらいで症状が出るの?どんな症状?
食後数時間から十数時間でみぞおちあたりに激しい痛み、悪心、嘔吐が出ます。
これは急性胃アニサキス症で、
急性腸アニサキス症の場合は、食後数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状が出ます。
参照:厚生労働省
ですので、数日経過して何も起こらなければ心配ないということになります。
なお、アニサキスに感染しても母体は痛みを伴いますが、
胎児には影響はありません。
リステリア菌に感染するとどうなるの?
母体の症状としては、無症状の場合と軽いインフルエンザ様の症状が出ます。重篤な症状になると敗血症や髄膜炎になることもあり、
海外では死亡例も確認されています。
参照:MSDマニュアル家庭版
参照:厚生労働省
母体だけなら、特に重い症状にはなりにくいのですが、問題は胎児です。
リステリア菌に感染すると胎盤を通して胎児にも感染する可能性があり
その場合、20%程度の確率で流産もしくは子宮内胎児死亡があったという研究データがあります。
また、生存し分娩に至った児のうち68%に新生児リステリア感染症が認められ、
肺炎、敗血症、髄膜炎が主な症状であり、治療しても24%が死亡、12%に神経学的後遺症を認めたとあります。
参照:佐野産婦人科
と怖いことを書いていますが、感染するのは日本において年間100件など少ないため、
感染するのは稀なケースと言えます。
また、感染したとしても症状が出なければ問題はなく、
高熱が出るなど重症化した場合において胎児に影響が出る場合があり、
重症化することもまた珍しいことですので、生サーモンを食べてしまったからといって
あまり心配することはありません。
どうしても心配でしたら、検診時にかかりつけの医師に相談してみると良いでしょう。
妊娠中はなるべく生ものは避け加熱されたものを食べた方が安心
生サーモンだけでなく、その他の生魚やスモークサーモン、
レアステーキなどの生ものはどうしても食中毒のリスクがありますので、
確率的には低いとは言え、注意することに越したことはありません。
まとめ
妊娠中に生サーモンを食べてしまった場合、ほとんどの場合
何も起こりませんので、ひとまず安心して良いかと思います。
稀なケースとしてリステリア菌による食中毒はありますし、
アニサキスについてもしっかりと冷凍されていなければ、
アニサキスの食中毒にかかる可能性はありますが、
回転寿司などに出てくるサーモンは冷凍処理されていますので、
まずアニサキスの食中毒になることはありません。
アニサキスについては数日経過して変化がなければ問題ありませんが、
リステリア菌に関しては1ヶ月など長い時間が必要ですので、
どうしても心配でしたら検診時にかかりつけの医師に相談してみてください。