ティラミスはマスカルポーネチーズを使ったりコーヒーリキュールを使っていたりしますが、
妊娠中に食べても良いのでしょうか?何か注意点はあるのでしょうか?
こちらでは妊娠中のティラミスについて消化致します。
妊娠中ティラミスは食べてもいいの?
本格的なティラミスでアルコールを感じるようなもの、
および外国産のマスカルポーネチーズを使用していなければ、
食べても問題ありません。
また、心配性の方でない場合は、カフェインの心配や生卵によるサルモネラ食中毒の心配も
あまり気にしなくても良いと考えます。
国産のマスカルポーネチーズを使用しているティラミスやチーズを使用していないティラミス、あるいは生卵を使用していないティラミスなら問題ありません。
ですので、コンビニやスーパーで販売されているティラミスや
サイゼリヤなどで出てくるティラミスなら基本的に食べても大丈夫です。
アルコールが感じられるティラミスは極力さけた方が良い
アルコールが感じられるティラミスは妊娠中は極力さけた方が良いです。
ただ、ティラミスの含まれるアルコールを摂取したからといって
胎児に何か影響があるとは考えにくいので、誤って食べたとしてもあまり気にしなくても良いのですが、
妊娠中は念のため避けておくと良いと考えておいてください。
日本産婦人科学会では1日のアルコール摂取量15ml(ビール350ml缶1本)未満なら、
胎児への影響は少ない。90ml以上だと胎児への影響が明らかに高くなる
と言っております。
しかし、アメリカの小児科学会は一切飲まないに超したことはないとして、
妊婦の飲酒は一切ダメと勧告しております。
参照:YAHOO!JAPANニュース
この場合の飲酒は明らかにお酒を飲むということなので、
微量含まれているアルコール程度なら、上記にも書きましたが、
胎児に影響が出るとは考えにくいため、
誤ってアルコールを感じるティラミスを食べたからといって
慌てる必要はないということを挙げておきます。
ただし、明らかにアルコール何%含有など書かれているようなティラミスは
食べないようにしましょう。
外国産のマスカルポーネがなぜ良くないのか?
マスカルポーネなど海外で作られるナチュラルチーズは
製造工程で非加熱の状態で作られる場合があり、
その場合リステリア菌が存在する可能性があります。
事実、欧米ではリステリア菌による集団感染などが発生しています。
参照:厚生労働省
ですので、外国の特に個人輸入したナチュラルチーズを使用してティラミスを
作っている場合は、リステリア菌が存在する可能性がありますので、
食べないようにしましょう。
※国産のナチュラルチーズは乳の段階で加熱殺菌されていますので、
リステリア菌の心配はありません。
なお、サイゼリヤで提供されるティラミスに使用されているマスカルポーネはイタリア産ですが、
こちらは製造工程で加熱されており、さらにリステリア菌が陰性であるものを使用しているため
サイゼリヤのティラミスについてはリステリア菌の心配はいりません。
ただし、アルコール感があるので、ちょっと注意が必要かも知れません。
リステリア菌に感染するとどうなるの?
母体の症状としては、無症状の場合と軽いインフルエンザ様の症状が出ます。重篤な症状になると敗血症や髄膜炎になることもあり、
海外では死亡例も確認されています。
参照:MSDマニュアル家庭版
参照:厚生労働省
母体だけなら、特に重い症状にはなりにくいのですが、問題は胎児です。
リステリア菌に感染すると胎盤を通して胎児にも感染する可能性があり
その場合、20%程度の確立で流産もしくは子宮内胎児死亡があったという研究データがあります。
また、生存し分娩に至った児のうち68%に新生児リステリア感染症が認められ、
肺炎、敗血症、髄膜炎が主な症状であり、治療しても24%が死亡、12%に神経学的後遺症を認めたとあります。
参照:佐野産婦人科
というように胎児に影響を及ぼす可能性があり、重篤になる可能性もありますので、
リステリア菌には十分に注意しなければいけません。
サルモネラ菌による食中毒は大丈夫?
ティラミスには生卵が使用されているものがあります。
その場合気になるのがサルモネラ菌による食中毒ですが、
日本の場合は厳しい規格基準が設けられており、
殺菌液卵の場合サルモネラ属菌検体25gにつき陰性、未殺菌液卵の場合細菌数検体1gにつき10⁶以下と定められています。
参照:IASR
また、賞味期限以内なら生で食べても問題ないとされていますので、
日本のティラミスに生卵が使用されていたとしても、あまり気にすることはないでしょう。
ただ、生の卵を食べてサルモネラ菌の食中毒になる確率は0%ではないため心配な場合は、生卵を使ったティラミスは食べないようにしてください。
なお、サルモネラの食中毒にかかると
摂取してから8~48時間の潜伏期間を経た後に症状が出て、
症状としては吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、時に血便が見られることがあります。
胎児への影響についてはリステリア菌やトキソプラズマのような記載はありませんので、
直接的影響はないものと思われます。
参照:Medical note
ティラミスのカフェインは大丈夫?
ティラミスにどれくらいのコーヒーが使われているかわかりませんが、
仮にインスタントコーヒー1杯分程度のコーヒーを使っているとしたら60mgのカフェインが含まれていることになります。
妊娠中に1日に摂取しても良いカフェイン量は
世界保健機関(WHO)によると1日に摂取しても良いカフェイン量は300mg/日(コーヒーをマグカップで約2杯)としています。
英国食品基準庁(FSA)では、1日あたりのカフェイン摂取量を200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するように求めています。
カナダ保健省(HC)では、1日のカフェイン摂取量を300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)に制限するようにいっています。
参照:厚生労働省
と、海外ではカフェイン許容量が決まっています。
日本にはカフェイン摂取許容量が決まっていませんが、
産婦人科医はコーヒーなら1~2杯程度はOKとしている医師も多くおられます。
参照:ママ、あのね。
この産婦人科医のいう1~2杯のコーヒーの種類がわかりませんが、
おおまかに1日のカフェイン摂取量は200mg未満として見ておいて問題はないでしょう。
このことからティラミスに含まれるカフェインを摂取したからといって
何か起きるということはありません。
ただし、1日に3個も4個も食べ過ぎるとカフェイン摂取量が気になりますし、
そもそもカロリーの摂りすぎになり太る可能性が出てきます。
注意点はあるの?
注意点としてはアルコールが何%など表記されているようなアルコールを感じるティラミスは
控えるのと、外国のマスカルポーネを使用して作っているティラミスは食べないようにする
ということが挙げられますが、他にも注意点があります。
ティラミス1個につきカロリーが大きさにもよりますが、
300~400kcal程度あります。
厚生労働省の食事バランスガイドによると1日のおやつで摂取しても良いカロリーは
200kcal以下を目安に食べると良いとされていますので、
ティラミス1個食べるとおやつとしての摂取しても良いカロリーをオーバーしてしまいます。
たまにオーバーするくらいなら特に問題はないのですが
毎日食べるとなると栄養バランスの偏りやカロリーの摂りすぎになる可能性がありますので、
ティラミスは毎日食べないようにしましょう。
なお、つわり時期でティラミスしか食べられないと言う場合は、
あまり量を気にせず食べられるものを食べるとよいとされていますので、
つわり時期は気にせず食べても良いです。
ですが、つわり時期が終わり何でも食べられるようになったら、
栄養バランスやカロリーなどを意識した食生活に戻してください。
ティラミスは食べたとしてもたまに食べる1個(100~150g程度)でとどめておいてください。
まとめ
妊娠中は飲食物において特に気を遣う時期かと思います。
ティラミスで気をつけたいのは、
- 外国のマスカルポーネチーズを使用している場合がある
- アルコールが感じられる
- 生卵を使用している
- カロリーが多い
ということでしょうか。
アルコールも毎回摂取するわけではありませんし、
微量程度なら問題ないと考えますので、
こちらはよほどアルコールがキツイとかでない限り、
食べても問題にならないと考えます。
生卵についても日本においては過剰に心配することはないと考えます。
チーズについては国産のチーズであれば殺菌されていますので、
問題はないのですが外国のチーズの場合、殺菌されていない物もありますので、
外国のチーズが使用されているティラミスは食べない方が無難です。
ただし、妊娠中は大事な時期でもありますし、
心配な場合はアルコールが含まれていない、生卵を使用していない
ティラミスを食べると良いでしょう。
なお、コンビニで販売されているティラミスについては
心配せずに食べても良いでしょう。