妊娠中は何かと気を遣わなければいけない時期ですが、
ししゃもは食べても良いのでしょうか?生焼けの場合はどうなんでしょう?
こちらでは妊娠中のししゃもについて紹介致します。
妊娠中ししゃもは食べても良いの?
妊娠中のどの時期においてもししゃもにしっかりと火が通っていれば(中心部が75℃以上で1分以上)食べても構いません。
ただし、生焼けの場合は口に入れて生焼けと感じたら
トースターや電子レンジで構いませんので、再度加熱してください。
生焼けの場合食べたらどうなるの?
生焼けの場合、食べた場合考えられるのはリステリア菌の食中毒になる可能性が少ないですがあります。
特に、何日も冷蔵保存していたようなししゃもですと、
冷蔵庫内であってもリステリア菌は繁殖しますので注意が必要です。
なお、トキソプラズマについては動物の体内や猫の糞便や土に存在するものですので、
ししゃもにはいません。
生焼けを万が一食べてしまった場合、
食べる量が少ないと思いますので、基本的には大丈夫だとは思いますが、
心配であれば、かかりつけの産婦人科で相談されると良いかと思います。
リステリア菌に感染するとどうなるの?
母体の症状としては、無症状の場合と軽いインフルエンザ様の症状が出ます。重篤な症状になると敗血症や髄膜炎になることもあり、
海外では死亡例も確認されています。
参照:MSDマニュアル家庭版
参照:厚生労働省
母体だけなら、特に重い症状にはなりにくいのですが、問題は胎児です。
リステリア菌に感染すると胎盤を通して胎児にも感染する可能性があり
その場合、20%程度の確立で流産もしくは子宮内胎児死亡があったという研究データがあります。
また、生存し分娩に至った児のうち68%に新生児リステリア感染症が認められ、
肺炎、敗血症、髄膜炎が主な症状であり、治療しても24%が死亡、12%に神経学的後遺症を認めたとあります。
参照:佐野産婦人科
ししゃものビタミンAは大丈夫なの?
ししゃも1匹(30g)に含まれるビタミンAは36μgです。
妊娠3ヶ月までは1日のビタミンA摂取上限は1500μgで、
妊娠中期、後期にかけては1日の上限は2700μgとなっています。
ですので、例えばししゃもを10匹食べたとしても
ビタミンAの摂りすぎにはなりません。
むしろ、妊娠中においてもビタミンAは必要な栄養で、
1日あたりのビタミンA推奨摂取量は650μg~700μgとなっていますので、
ビタミンAを補えます。
どれくらいの量食べてもいいの?
ししゃもには塩分が含まれています。
18歳以上の女性は厚生労働省の食事バランスガイドによると、
1日の塩分摂取量を6.5g未満にするように提示しています。
ししゃも100g(約5匹)あたりの塩分量は1.5gですので、
1食に食べても良いししゃもの量は塩分の度合いで見ると、
5匹程度に抑えておいた方が良いでしょう。
なお、ししゃも5匹のカロリーは150kcal程度になります。
これだと1食のカロリーが少ないため、ご飯に副食として何か付けた方が良いでしょう。
塩分を摂り過ぎるとどうなるの?
たまに塩分を過剰摂取したとしても特に問題にはならないのですが、
日常的に過剰摂取していると、
妊娠中はむくみやすいのですが、そのむくみがさらにひどくなったり、
高血圧のリスクを高めたり、
赤ちゃんを育てるための体内のバランスがくずれやすくなります。
参照:エレビット
妊娠高血圧症候群になると胎盤に送られる血液量が減少して、赤ちゃんに酸素や栄養がうまく行き渡らなくなる可能性を高め、
その結果、赤ちゃんの発育不全や機能不全を引き起こす可能性が高まったりします。
参照:HOW TO MARRY
塩分を摂り過ぎている場合の対処法は?
食生活を見直すことが前提となるのですが、
カリウムを摂取することで、摂取した塩分を排出する作用があるため、
カリウムを摂取することをお勧めします。
カリウムが多く含まれる食材として100gあたりで挙げると
切り干し大根 3500mg
ドライトマト 3200mg
アボカド(生) 720mg
ほうれん草(生) 690mg
人参(生) 630mg
ドライマンゴー 1100mg
ドライバナナ 1300mg
干し柿 670mg
バナナ(生) 360mg
干しひじき(乾燥) 6400mg
乾燥わかめ 5200mg
あおさ(素干し) 3200mg
焼き海苔 2400mg
わかめ(生) 730mg
このようにカリウムを多く含む食材はたくさんあります。
塩分を摂り過ぎている場合は、カリウムの多い食材を積極的に摂り入れましょう。
なお、カリウムには摂取上限はありませんので、心配する必要はありません。
ししゃもはコレステロールが高い?
ししゃも、特に子持ちししゃもはコレステロールが高いため、
LDLコレステロール値(悪玉コレステロール)が高い方は
控えた方が良い食べ物になります。
脂質異常症やその疑いがある方は、食べ過ぎには注意してください。
なお、妊娠中はコレステロールがいつもより多く必要になるため、コレステロール値が高くなりますので、
通常より高いからといって気にする必要はないですが、
医師から控えるように言われている場合は、ししゃもは食べすぎないようにしましょう。
水銀は大丈夫なの?
魚介類には水銀が少なからず含まれていますが、
厚生労働省が発表している水銀の多い魚種にししゃもは含まれていませんので、
特に気にする必要はありません。
ししゃもの栄養は?
ししゃもには丈夫な骨を作るために必要なカルシウムがししゃも100g中に350mgほど含まれています。
また、タンパク質もししゃも100gあたり21g含まれていますので、
ししゃも1食分で1日に必要なタンパク質のおよそ1/3程度が摂取できます。
また、鉄分も豊富に含まれており、ししゃも100g中に1.4mgの鉄分が含まれています。
妊娠中は血液が多く必要な時期ですので、鉄分が含まれているのはありがたいです。
ビタミンB2やビタミンDも含まれており、ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に作用し、
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けてくれますので、
栄養が豊富な食べ物と言えるでしょう。
まとめ
妊娠中にししゃもは食べても構いませんが、
生焼けの状態だと、リステリア菌が気になりますので、
しっかりと火を通すようにしてください。
子持ちししゃもの場合、卵が白くなっていれば火は通っていますが、
卵が透明っぽい色でしたら生焼けですので、再度火を通してください。
ししゃもは栄養豊富ですが、塩分やコレステロールが多い食べ物ですので、
塩分の摂り過ぎや悪玉コレステロール値(LDLコレステロール)が高く医師から何か言われているような場合は、食べ過ぎには注意してください。