アース製薬から出ているブラックキャップはいわゆる毒餌タイプの駆除剤で、
ゴキブリが食べると死に至ります。それだけではなく食べたゴキブリが巣に戻り糞をすると
その糞を食べたゴキブリも死に至るという商品ですが、
ペットに影響はあるのでしょうか?食べてしまった場合どうしたらいいのでしょうか?
ブラックキャップはペットに影響はあるの?
ペットと言っても、犬や猫、フェレット、うさぎ、ハムスター、インコ、文鳥など
様々なペットがいるかと思います。
ここに挙げたいずれのペットもブラックキャップを見つけたら遊んだり噛んだりする可能性があります。
結論から言うと、犬や猫など比較的体重のあるペットがブラックキャップを1個食べた程度では問題になりません。
ブラックキャップの主成分はフィプロニルというフェニルピラゾール系の成分で、
この成分は農薬にも使われている成分で、植物の中に浸透していきますので、
洗っても落ちない農薬となっています。
参照:厚生労働省
ですので、キャベツなどの野菜類などを通して知らずに摂取している可能性の高い成分となります。
このフィプロニルがブラックキャップ1個中に0.05%含まれており、
1個が24gあるので(容器を含む)、計算すると0.012g(12mg)含まれているという計算になるのですが、これは容器の重さも含まれているため、実際はもっと少ない量となります。
仮に、毒餌部分が5gだったとした場合、フィプロニルは0.05%含有なので2.5mg含まれていることになります。毒餌部分が10gの場合フィプロニルは5mg含まれていることになります。
参照:アース製薬
これをラットやマウスが食べたとして、その致死量は
経口摂取による半数致死量であるLD50は、ラットで92 mg/kg、マウスで49 mg/kgである。ヒトの中毒は、0.14 mgの経口摂取による軽度意識障害が報告されている
引用:wikipedia
となっているため、ラットやマウスが1個食べたとしても致死量には至りません。
ハムスターを例に挙げると種類にもよりますが大まかに体重が150g前後あります。
致死量がラットと同じだったとした場合、およその数値ですが2.5mg程度のフィプロニルを経口摂取したとすると、2.5×6.7倍程度の量(16.75mg/kg)となりますので、
致死量には至りません。この量が倍だったとしてもやはり致死量には至りませんが、
ヒトの場合だと軽度の意識障害が報告されているとありますので、
何らかの影響が出る可能性はあります。
ハムスター自体が小さいので、ブラックキャップを1個食べきるということはないと思いますが、万が一1個食べてしまった場合は、水などを飲ませて様子を見るようにし、
何か変化がある場合は、すぐに動物病院で診てもらうようにしましょう。
他に考えられる影響としては、お腹を壊したり下痢をする可能性はあります。
犬や猫、うさぎ、フェレットの場合は?
ハムスターの大きさではブラックキャップを1個食べると致死量とまではいかないにしても
何か異変が起きてもおかしくない状態にはなるかと思いますが、
これが犬や猫、うさぎ、フェレットの場合だとそれなりに体重もありますので、死に至ることはありませんが何か影響が出る可能性はありますので、様子を見てください。
アース製薬を見てみると、
食べてしまった場合は、次のように対処ください。
・食べた量が1~2個の場合・・・牛乳や水を飲ませて、そのまま様子を見てください。
・食べた量が3個以上の場合・・・牛乳や水を飲ませて、念のため、本製品がフィプロニルを含有する製剤であることを医師または獣医師に告げて、診療を受けてください。
引用:アース製薬
となっています。
それなりに体重のあるペットは1~2個食べたとしても、水などを飲ませて様子を見るようにとあるので、様子を見て問題ないでしょう。
ただし、フェレットの場合だと体重が0.7~2kgになり、比較的体重が軽いため、
1~2個食べた場合、ちょっと注意しながら様子を見てください。
猫や犬に関しては3個以上食べてしまった場合には動物病院で診てもらった方が良いでしょう。
チワワなどの小型犬に関しても同様に1~2個食べた場合は水や牛乳を飲ませて様子を見て、
3個以上食べてしまった場合は動物病院で診てもらうようにしましょう。
フィプロニルはほ乳類にとって安全なものなのか?
厚生労働省の資料を見ると、
フィプロニルは長期的に暴露(毎日食べ続ける)されると、がんになる確率が高まるのですが、短期的な場合は、健康面において一度に多量に食べなければ特に問題がないということがわかります。
参照:厚生労働省
実際フィプロニルは猫などのノミ駆除など動物用医薬品としても使用されているため、
ペットにおいて比較的身近な成分と言えます。
参照:株式会社食環境衛生研究所
ですので、犬や猫などの体重が比較的あるペットが1個2個食べた程度で慌てなくても問題なさそうです。
注意しなければいけないのは、ハムスターやインコなどの小鳥がブラックキャップを食べた場合、体重が少ない分影響を受けやすいという側面がありますので、小さなペットがブラックキャップを食べた場合は少量であれば様子を見て、1個まるまる食べた場合、
速やかに動物病院で診てもらうようにしましょう。
そもそもペットが食べるまでに至るのか?
ブラックキャップは黒い容器に毒餌が入っており、ちょっとやそっとで容器が開いて中身が飛び出るような物ではありません。
ですので、うさぎや猫、小型犬、フェレット、インコなどの小鳥は容器を開けて中を取り出すことが出来ないでしょう。
小型犬の場合は、容器を噛む可能性はありますが、かみ砕くまでは至らないです。
また、容器を舐めたりしても何も影響はありません。
ただし、中型犬以上の犬の場合、容器を噛み割る恐れはあります。
中身だけ食べるのならあまり影響はありませんが、割った容器を飲み込んだりすると、
口の中や食道、胃などに傷がつく恐れがありますし、腸で詰まってしまう可能性もあります。
ですので、容器を飲み込んだりした場合はすぐに動物病院で診てもらうようにしましょう。
また、万が一中身が露わになって食べてしまった場合は、少量であれば様子を見て、
何か異変があれば、動物病院で診てもらうようにしましょう。
ブラックキャップは誤食防止がされている
ブラックキャップは誤食防止として口に入れた瞬間非常に苦味を感じて口に入れておくことが出来ないようになっています。これは、安息香酸デナトニウムという成分を入れているためで、多量に食べるということは可能性としては低いでしょう。
参照:アース製薬
ブラックキャップを食べたゴキブリをペットが食べてしまった場合は?
ブラックキャップを食べたゴキブリをペットが食べてしまった場合、
犬や猫が食べてしまう可能性があるのですが、フィプロニルに関しての影響は
特にないのですが、ゴキブリには線虫やギョウ虫などの寄生虫がいる場合があり、
最悪の場合、ペットの体内に寄生虫が移る可能性があります。
肛門付近を痒がったりといったような何かいつもと違う変化があった場合は、
動物病院に行き、ゴキブリを食べた可能性があることを伝えてください。
まとめ
ペットといっても様々なペットがおり、犬や猫など比較的体重のあるペットは、
ブラックキャップを1個2個食べたとしても水や牛乳を飲ませて様子を見るだけで良いですが、
ハムスターやフェレットの雌、小鳥などの小さなペットがブラックキャップを食べた場合は
1個であっても何か異変が起きる可能性がありますので、
異変があれば速やかに動物病院で診てもらうようにしましょう。
また、犬や猫であっても3個以上食べてしまった場合は動物病院で診てもらってください。