母乳が終了する頃でしょうか?果物のジュースを飲ませようか検討されている方も多いと思います。
では、子供(赤ちゃん)は何歳からいつからリンゴジュースを与えても良いのでしょうか?
また、与えても良い歳になったらどのくらいの量与えても良いのでしょうか?
こちらでは子供とリンゴジュースについて紹介致します。
子供はリンゴジュースを何歳からいつから飲めるの?
リンゴジュースと言っても果汁100%のものから果汁30%程度のものまで様々ですが、
まず取り上げるのは100%リンゴジュースから紹介します。
アメリカ小児科学会によると、果汁は生後6ヶ月未満の乳児に飲ませるべきではないと言っておりますので、早くても生後6ヶ月からということになります。
というのも、アメリカ小児科学会では生後4~6ヶ月の乳児は母乳もしくは乳児用人工乳で栄養は十分に摂れると言っており、生後6ヶ月未満の乳児に果汁を与えると、母乳もしくは乳児用人工乳と置き換えられてしまうリスクがあるからとのことです。
ほ乳瓶やフタ付きのコップなどのように常に飲める状態(1日中持たせている状態)にしていると
果汁の糖類が長時間暴露するため、う歯(虫歯)の原因になるようです。
ですので、与えるならコップに入れて与えるべきと言っています。
参照:アメリカ小児科学会
では、100%未満のリンゴジュースはというと、
例えばなっちゃんのりんご味ですが、原材料を見てみると、
りんご、糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)/酸味料、香料、酸化防止剤(ビタミンC)
引用:SUNTORY
というように砂糖が入っています。
米国心臓協会によると
1日の添加砂糖は小児が25g以下、2歳未満は一切控えるべきと提言しています。
なぜかというと、2歳未満で清涼飲料を飲む癖をつけると、6歳以降の肥満につながり、
小児の2型糖尿病や高血圧を発症する可能性が増加するからということです。
参照:DIAMOND online
というように、砂糖の入っている飲み物は2歳未満の子供には与えないように提言していますので、
果汁100%未満のリンゴジュースに関しては飲めるのは2歳からということになります。
次にmamastaというサイトを見てみると、歯科衛生士の方が次のように言っています。
歯科衛生士としては2歳7ヶ月までに口の中の菌の定着が決まると言われているから。砂糖による酸産生能のある菌を寄り付かせずに虫歯リスクを抑える一助にはなるかなと予想しています。
引用:mamasta
虫歯が気になるようであれば、果汁が何%であろうが3歳あたりから飲ませた方が良いのかもしれません。
どのくらいの量飲んでもいいの?
アメリカ小児科学会によると、果汁は1~6歳の小児では1日当たり4~6オンス(約110~170ml)に制限すべきで、
7~18歳の小児では1日当たり8~12オンス(約220~340ml)に制限すべきと言っています。
参照:アメリカ小児科学会
この提言に当てはめるのなら、1歳以降は果汁100%リンゴジュースを110~170ml与えることができます。
次に果汁100%未満のリンゴジュースについては、
米国心臓協会では小児は
小児の1日の添加砂糖摂取量の上限を総カロリー量の5%未満とし、清涼飲料については、1週間(1日ではない)の摂取量を236mL以下に制限。
と言っており、1週間に236ml以下なので1日に直すと33.7mlとなり、
毎日飲むものではないことになります。
この提言を守るのであれば、3日に1度100ml、あるいは1週間に1度200ml程度を与えることで
米国心臓協会の提言を守ることができます。
次に世界保健機関(WHO)を見てみると、
成人及び児童の1日当たり遊離糖類摂取量を、エネルギー総摂取量の10%未満に減らすよう勧めている。また5%まで減らして、1日25g(ティースプーン6杯分)程度に抑えるなら、更に健康効果は増大する
引用:食品安全委員会
と言っており、エネルギー総摂取量の10%未満というと、およそ25g程度になります。
遊離糖類というのは、砂糖をはじめショ糖、果糖、ぶどう糖、蜂蜜、シロップ、果汁などのことを指します。
遊離糖類が25g程度というのは、果汁100%リンゴジュースに置き換えると、
100ml当たり糖類は10.9gあります。
参照:FATSECRET
1日あたりの遊離糖類が25g未満ということなので、
リンゴジュースだけで遊離糖類を摂取するのであれば、
200ml程度は飲んでも良い計算になります。
ですが、子供はおやつも食べると思いますので、
おやつの分も計算に入れなければなりません。
おやつに含まれる砂糖の量を一部ですが見てみると、
ショートケーキ(100g)に砂糖32g程度
あんぱん(80g)に砂糖26g程度
大福(70g)に砂糖12g程度
シュークリーム(70g)に砂糖9.2g程度
プリン1個に砂糖16g程度
アイスキャンディー1本に砂糖16g程度
含まれています。
参照:いずみ中央歯科医院
例えば、プリンやアイスを1つ食べただけで16gの砂糖を摂取することになりますので、
この場合だと、果汁100%リンゴジュースは100mlも飲めないことになります。
水で1:1に薄めたとしたら100ml飲めるという計算になります。
と、様々な機関を元にどのくらいの量飲んでも良いかを見てきましたが、
一番健康に良いのは米国心臓協会の言う、3日に1度100ml与えるというのが健康には良いでしょう。
ただし、この考えは果汁100%リンゴジュースを清涼飲料と捉えた場合の話になります。
糖類を過剰摂取するとどうなるの?
たまに過剰摂取する分には特に問題はないのですが、
日常的に過剰摂取を続けていると、肥満のリスクや高血圧のリスク、糖尿病のリスクなど生活習慣病のリスクが増大します。
ですので、糖類は例え果汁100%だったとしても摂りすぎには注意した方が良いでしょう。
早い時期からリンゴジュースを与えると
小さい頃から甘い飲み物を与えると、その美味しさを覚えて
子供によっては麦茶などの甘みのない飲み物を受け付けなくなる子供がいます。
ですので、早い内から(特に1歳未満など)甘い物を与えるのは控えた方が良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
様々な機関を見てきましたが、果汁100%のリンゴジュースであれば、
生後半年を過ぎたあたりから与えても問題はなさそうです。
ですが、リンゴジュースの味を覚えてしまったがために、お茶などを飲まなくなったという話はよく聞きますので、
そのあたりは注意が必要でしょう。
果汁が100%未満のリンゴジュースについては、
砂糖が入っているため、米国心臓協会によれば2歳になってから与えた方が良いことになります。
虫歯が気になると言う場合は、3歳あたりから与えるようにした方が良いでしょう。
1日に飲める量については、アメリカ小児科学会によると110~170mlとなっていますが、
米国心臓協会の提言に合わせると3日に1度100ml与えるというように毎日与えるのは控えた方が良いことになっています。
どの提言に合わせるかは各家庭の判断に委ねられるところではありますが、
健康に良いと言うところで言うと、米国心臓協会の3日に1度100ml与える
というのが一番健康には良いでしょう。