ポンジュースは果汁100%のみかんのジュースですが、
子供(赤ちゃん)は何歳からいつから飲んでもいいのでしょうか?
また、飲める歳(時期)になったらどのくらいの量飲んでもいいのでしょうか?
こちらでは子供とポンジュースについて紹介致します。
子供はポンジュースを何歳からいつから飲んでもいいの?
アメリカ小児科学会の資料を見てみると、果汁は生後6ヶ月未満の乳児に飲ませるべきではないと言っておりますので、早くても生後6ヶ月からということになります。
というのも、アメリカ小児科学会では生後4~6ヶ月の乳児は母乳もしくは乳児用人工乳で栄養は十分に摂れると言っており、生後6ヶ月未満の乳児に果汁を与えると、母乳もしくは乳児用人工乳と置き換えられてしまうリスクがあるからとのことです。
また、ほ乳瓶やフタ付きのコップなどでいつでも飲める状態にしておくと、
歯が長時間果汁の糖類に暴露されるため、う歯(虫歯)の原因になると言っていますので、
与えるのであれば、通常のコップに注いで与えるようにと言ってます。
参照:アメリカ小児科学会
アメリカ小児科学会によると生後6ヶ月以降から飲ませることができるようですが、
米国心臓協会を見てみると、
1日の添加砂糖は小児が25g以下、2歳未満は一切控えるべきと提言しています。
なぜかというと、2歳未満で清涼飲料を飲む癖をつけると、6歳以降の肥満につながり、
小児の2型糖尿病や高血圧を発症する可能性が増加するからということです。
参照:DIAMOND online
ポンジュースには砂糖は添加されていませんし、果汁100%のジュースが清涼飲料に当たるかはわかりませんが、
清涼飲料に当たるとすれば、2歳未満には与えない方が良いことになります。
次に、mamastaというサイトを見てみると、歯科衛生士の方が次のように述べています。
歯科衛生士としては2歳7ヶ月までに口の中の菌の定着が決まると言われているから。砂糖による酸産生能のある菌を寄り付かせずに虫歯リスクを抑える一助にはなるかなと予想しています。
引用:mamasta
虫歯を気にされる場合は、3歳あたりまで与えない方が良さそうです。
どのくらいの量飲んでいいの?
アメリカ小児科学会によれば、
果汁は1~6歳の小児では1日当たり4~6オンス(約110~170ml)に制限すべきで、
7~18歳の小児では1日当たり8~12オンス(約220~340ml)に制限すべきと言っています。
参照:アメリカ小児科学会
次に世界保健機関(WHO)を見てみると、
成人及び児童の1日当たり遊離糖類摂取量を、エネルギー総摂取量の10%未満に減らすよう勧めている。また5%まで減らして、1日25g(ティースプーン6杯分)程度に抑えるなら、更に健康効果は増大する
引用:食品安全委員会
と、遊離糖類摂取量をエネルギー総摂取量の10%未満と言っています。
なお、遊離糖類というのは、砂糖をはじめ果糖、ショ糖、果汁、蜂蜜、シロップなどのことを指します。
2歳の子供の場合1日当たりの総摂取カロリーはおよそ900kcalと言われています。
参照:EPARK
これの10%未満なので、カロリーで換算すると遊離糖類は90kcal未満まで摂取できるということになります。
砂糖で表すと、日本食品標準成分表によると100gあたり386.9kcalですので、
おおむね25g未満となります。
ポンジュースは100mlあたりに糖類が10.3g含まれていますので、
これで行くと、1日のポンジュース摂取量は多くても250mlまで摂取できるということになるのですが、
おそらくポンジュースだけで遊離糖類を摂取するわけではなくおやつなどからも遊離糖類を摂取することになると思いますので、
その分の糖類のことも考えなければなりません。
おやつに含まれる砂糖の量を一部ですが見てみると、
ショートケーキ(100g)に砂糖32g程度
あんぱん(80g)に砂糖26g程度
大福(70g)に砂糖12g程度
シュークリーム(70g)に砂糖9.2g程度
プリン1個に砂糖16g程度
アイスキャンディー1本に砂糖16g程度
含まれています。
参照:いずみ中央歯科医院
プリンやアイスを1つ食べただけで16gもの砂糖を摂取することになるため、
そのことを考えると、ポンジュースは1日に80ml程度しか飲むことが出来ません。
ポンジュースが清涼飲料に当たるとするならば、
米国心臓協会ではこう述べています。
小児の1日の添加砂糖摂取量の上限を総カロリー量の5%未満とし、清涼飲料については、1週間(1日ではない)の摂取量を236mL以下に制限。
こちらの考えでいくと1週間に236ml以下にすべきと言っていますので、
1日単位に直すと33.7mlしか飲むことができません。
つまり、ポンジュースは毎日飲むものではないということになります。
3日に1度100ml与えるか、1週間に1度200ml与えると米国心臓協会の提言を守ることができます。
と、学会や協会、委員会の言っていることがバラバラなので、
どこを軸に置くかは各家庭に委ねられますが、健康のことを考えると、
米国心臓協会の提言に従うことが健康に良いと考えられます。
糖類を摂りすぎるとどうなるの?
糖類、特に砂糖を摂り過ぎることにより、どういうことが起こるのかというと、
たまに過剰摂取する分には良いのですが、日常的に過剰摂取していると
肥満のリスクや高血圧のリスク、糖尿病のリスクなどの生活習慣病のリスクが増大します。
それだけでなく、砂糖を過剰摂取し続けていると心臓病のリスクも増加するようです。
参照:アスゲン製薬株式会社
なお、菓子パンにもたくさんの砂糖が含まれていますので、
日常的に与えるのは控えた方が良いでしょう。
小さい子供は薄めて与えるのもあり?
アメリカ小児科学会では生後6ヶ月あたりから飲ませても良いというニュアンスで書かれています。
ですが、与えても良い量のことについては1歳からしか書かれていないため、
1歳の子供に与えるとしたら、例えば水で1:1に薄めて与えると
甘みが軽減され量も2倍飲めることになりますので、良いかもしれません。
1~6歳の子供については110~170mlと言っていますので、
2倍希釈にすると、220~340ml程度は与えても良いことになります。
ですが、薄めた物でも110~170mlに抑えることで、糖類の摂取は抑えられますので、健康には良いと考えます。
まとめ
ポンジュースは何歳から与えてもいい化については、
学会や協会、委員会で言っていることが異なりますので、
どこを基準にして考えるかで与えても良い年齢が変わりますが、
個人的には米国心臓協会の言う2歳未満の子供には与えないという提言にしたがった方が
健康には良いと考えます。
虫歯のことを気にされるのであれば、3歳あたりから与えた方が良いでしょう。
ポンジュースの栄養に関しては、何もポンジュースからその栄養を補う必要はないと思いますので、
糖類があまり含まれていない食べ物などからビタミンなどを摂取すれば良いという考えです。
どれくらいの量飲んでいいのかについても、学会や委員会、協会によって言っていることが違いますが、
一番厳しく提言している米国心臓協会を軸に考えた方が健康には良いと考えますので、
それでいくと、3日に1度100ml与えるか、1週間に1度200ml程度与えることを推奨します。