妊娠3ヶ月まではビタミンA(レチノール)の量に気をつけなければいけませんが、
レバーを食べてしまった場合、これは大丈夫なのでしょうか?
こちらでは妊娠中のレバーについて紹介致します。
妊娠中レバーを食べてしまった!大丈夫なの?
まず、妊娠中期後期では、成人の非妊娠者と同じで1日のレチノール摂取上限は
2700μgとなっており、1日程度多少オーバーしたところで特に問題になることはありません。
では、妊娠3ヶ月まではどうなのかというと、
連日多量にレチノールを摂取し続けると胎児に影響が出る可能性があります。
妊娠3ヶ月までの1日のレチノール摂取上限は1500μgと定められており、
妊娠中期以降よりも上限が厳しく設定されています。
妊娠初期にレバーを食べてしまった場合どうなるかについてですが、
1日程度多少オーバーしたとしても直ちに胎児に影響が出るというものではありませんので、
特に心配する必要はありません。
なお、レバーに含まれているレチノール量ですが、可食部100gあたり
牛レバー 1500μg
豚レバー 13000μg
鶏レバー 14000μg
となっております。
例えば、鶏レバーの焼き鳥を10本程度食べたとしても連日でなければ
あまり問題になりません。
ですが、鶏レバーの焼き鳥を1日に100本など過剰摂取になると
胎児に影響が出るよりも先に母体にダイレクトに影響が出るでしょう。
ですので、妊娠時だけではありませんが過剰摂取は控えるようにしましょう。
参照:アスクドクターズ
ビタミンAを摂りすぎるとどうなるの?
レチノールは摂りすぎると、胎児の形態的な異常が増加すると言われています。
特に妊娠3ヶ月までの過剰摂取において胎児の耳の形態異常が増えることがわかっています。
参照:にしのはら歯科医院
また、妊娠中期以降であってもレチノールを摂りすぎると母体に
吐き気、頭痛、めまい、目のかすみなどを引き起こします。長期間、過剰摂取すると、中枢神経系の影響や肝臓の異常、骨・皮膚の変化などが起こるおそれがあると言われています。
参照:サントリーウエルネスOnline
ですので、妊娠3ヶ月までは胎児に影響が出る可能性があるため、
レチノール摂取量には注意が必要です。
妊娠中期以降であれば、胎児に影響が出ることはないので、
過剰に摂りすぎることがなければ、レバーをべても問題ありません。
レバーには鉄分が豊富に含まれている
妊娠中は鉄分不足により貧血になりやすい時期で、
妊娠初期よりも妊娠中期後期の方が貧血になりやすく、
これは、赤ちゃんに血液を送らなければいけないため、
非妊娠時と比べて鉄分など多く摂取する必要があります。
鉄分は妊娠初期だと+2.5mg
妊娠中期後期だと+15.0mgとなっています。
参照:厚生労働省
レバーにどれくらいの鉄分が含まれているかというと、可食部100gあたり
牛レバー 4.0mg
豚レバー 13.0mg
鶏レバー 9.0mg
となっています。
妊娠初期の場合はレチノールを日常的に摂りすぎると胎児に影響が出ますが、
妊娠中期後期では、胎児に影響が出ることはありませんし、
レバーには鉄分が多く含まれていますので、
過剰でなければ、また連日でなければお勧めの食材と言えます。
なお、無性に氷やアイスクリームなどが食べたくなると言う場合は、
鉄分が不足している可能性があり、これを氷食症と言います。
このような症状が出ている場合は、早めに医師に相談してください。
まとめ
妊娠中にレバーを食べてしまったという場合、その摂取量が過剰ではない、
あるいは日常的ではない限り特に問題になることはありません。
妊娠初期においても1日程度レバーを食べたからと言って
直ちに胎児に影響が出るというものではなく、
日常的に過剰に摂取している場合に、胎児に影響が出る場合があるのです。
ただし、レバーを食べてしまって心配という場合は、
検診時にでもかかりつけの医師に相談すると安心かと思います。