妊娠中は何かと気をつけなければ行けない時期ですが、
鯖は食べても良いのでしょうか?何か注意点はあるのでしょうか?
こちらでは妊娠中の鯖について紹介致します。
妊娠中鯖は食べても良いの?
鯖にしっかりと火が通っていれば、妊娠中のどの時期でも鯖は食べても構いません。
むしろ青魚のためDHA・EPAという不飽和脂肪酸などの栄養が豊富に含まれていますので、
お勧めできる食材です。
鯖の煮物や鯖の塩焼きなどしっかりと火が通っているものは安心して食べることが出来るのですが、
鯖の刺身やしめさばなどの加熱調理がされていないものについては
少々注意が必要です。
加熱されていない鯖はなぜ注意が必要なのか?
鯖寿司やしめさば、刺身などの加熱されていないものは
食中毒になる危険性が少なからずあります。
食中毒の種類としてはアニサキス、腸炎ビブリオ、リステリア菌の食中毒が挙げられます。
アニサキスについてはしめさばなどのように押したり酢を加えても
アニサキスは死滅しませんので、これらを食べるとアニサキスの食中毒になる可能性があります。
ただし、鯖を-20℃で24時間冷凍させたものについては、
アニサキスは死滅しますので、冷凍されて解凍された鯖ならアニサキスの心配はいりません。
続いて、腸炎ビブリオですがこちらもお店などで販売されているものであれば、
保存法がしっかりされていますので、気にする必要はありません。
ただし、個人で釣ってきたものについては、菌が増殖する可能性がありますので、
10℃以下で保存したり、真水で洗ったりといったような対策をしっかりとしなければいけません。
そして、リステリア菌についてですが、こちらも感染するのは稀なケースなのですが、
感染し重篤化してしまうと、胎児に移行する可能性があり、その場合胎児の命に関わることになりますので、稀なケースとはいえ注意は必要です。
リステリア菌に感染するとどうなるの?
潜伏期間は3~4週間程度で母体の症状としては、無症状の場合と軽いインフルエンザ様の症状が出ます。重篤な症状になると敗血症や髄膜炎になることもあり、海外では死亡例も確認されています。
参照:MSDマニュアル家庭版
参照:厚生労働省
母体だけなら、特に重い症状にはなりにくいのですが、問題は胎児です。
リステリア菌に感染すると胎盤を通して胎児にも感染する可能性があり
その場合、20%程度の確立で流産もしくは子宮内胎児死亡があったという研究データがあります。
また、生存し分娩に至った児のうち68%に新生児リステリア感染症が認められ、
肺炎、敗血症、髄膜炎が主な症状であり、治療しても24%が死亡、12%に神経学的後遺症を認めたとあります。
参照:佐野産婦人科
胎児にリステリア菌が移行する場合、母体は高熱などひどい症状が出た場合で、
これを侵襲性リステリア症というのですが、この場合胎児に影響を及ぼす可能性があり、重篤になる可能性もありますので、
リステリア菌には十分に注意しなければいけません。
鯖の栄養は?
鯖は高タンパク質低糖質ですので、非妊娠時よりもタンパク質を多く摂取しなければいけない妊娠時期にはありがたい食材と言えます。
また、先にも書きましたがDHA・EPAが豊富に含まれており、
記憶力や集中力の向上が期待できる他、
中性脂肪を抑えたり、悪玉コレステロールを減少させるのに役立ちます。
他の栄養としては、カルシウムやカルシウムの吸収を助けるビタミンD、
貧血予防に効果的な鉄分、味覚を正常に保つための亜鉛などが含まれていますし、
筋肉を作るのに必要な栄養素であるビタミンB6、
神経や脳の機能を正常に保つ働きがあるビタミンB12などが豊富に含まれています。
サバ缶は生の鯖よりカルシウムが豊富
サバ缶(水煮)100gあたりのカルシウムは260mg含まれており、
コップ1杯の牛乳よりも多くカルシウムが摂取できます。
これは、鯖の切り身と比べると、およそ43倍ものカルシウム量になります。
なお、サバ缶の汁には水溶性の栄養が溶け出ていますので、
汁は捨てずに、料理に使用してください。
鯖は1日にどれくらい食べてもいいの?
鯖のカロリーは100gあたり202kcalで、
鯖の煮物については100gあたり275kcal程度になります。
妊娠中に1日に摂取すべきカロリー量は普通の生活を送っている人で、
妊娠初期 2050kcal
妊娠中期 2250kcal
妊娠後期 2450kcal
となっており、そのうちおやつで摂取するカロリーは
厚生労働省の食時バランスガイドによると1日200kcal以下が推奨されていますので、
これを引いて、1日3食摂取するとした場合の1食のカロリーは、
妊娠初期 633kcal
妊娠中期 700kcal
妊娠後期 783kcal
となります。
ですので、鯖の煮付けに副菜とご飯を食べると仮定した場合、
1食あたり100~150g程度の鯖を食べても良い計算になります。
仮に3食鯖を食べるとするならば、1日に300g~450g程度の鯖を食べることができます。
ですが、これはあくまでも参考程度にとどめてください。
たまに食べる鯖という場合であれば、基本的に的確に量などは量らずに、
一般的な量を摂取するなら特に量のことは気にする必要はありません。
また、鯖は毎日食べても良いのですが、毎食鯖を食べるということは避けてください。
できれば様々な食材から栄養を摂った方が良いため、
鯖を毎食食べるということはせず、肉なども含めていろんなものを摂取するようにしましょう。
鯖の水銀は大丈夫?
結論から言うと鯖にはあまり水銀は含まれていませんので、水銀を心配する必要はありません。
水銀で心配しなければいけない魚はインドマグロやクジラ、イルカ、金目鯛、ユメカサゴ
その他、厚生労働省のリストに載っている魚種が注意が必要で
1週間に食べても良い量が決まっています。
参照:厚生労働省
鯖のおすすめ料理は?
鯖のおすすめ料理としては、
鯖の塩焼き
鯖の煮付け
鯖の味噌煮
鯖大根
鯖の竜田揚げ
鯖の野菜あんかけ
鯖のカレー煮
など様々な料理ができます。
バリエーションが広がりますので、鯖は定期的に食べたい食材です。
鯖料理が載っているサイトを掲載しておきますので、
気になる方はご確認ください。
まとめ
妊娠中のどの時期においても鯖を食べて構いませんが、
できればしっかりと火が通った鯖を食べることをお勧めします。
鯖の食べる量については、1食あたり100~150g程度は食べても問題ありません。
ですが、3食鯖を食べてそれが毎日となると栄養の偏りが気になりますので、
できれば肉や野菜なども交えて様々なものから栄養を摂取するように心がけましょう。