妊娠中は食べ物や飲み物など何かと気を遣う時期です。
ココアは妊娠中に飲んでも良いのでしょうか?
また、飲めるとしたらどれくらいの量飲んでもいいのでしょうか?
こちらでは妊娠中のココアについて紹介致します。
妊娠中ココアは飲んでもいいの?妊娠初期つわり時期でも大丈夫?
結論から言うと妊娠初期、つわり時期、中期、後期どの時期でもココアを飲んでも問題ありません。
ですが、砂糖入りのものはたくさん飲むことは避けてください。
ココアにはカフェインが含まれていますが、その量はカフェイン量が多いと言われる
ピュアココアで、5gあたり10mgのカフェインが含まれています。
ですので、5gのピュアココアを牛乳やお湯などで作った場合に、10mgのカフェインを摂取するという形になります。
参照:DELISH KITCHEN
では、妊娠中1日にどれくらいのカフェインを摂取してもいいのかというと、
世界保健機関(WHO)によると1日に摂取しても良いカフェイン量は300mg/日(コーヒーをマグカップで約2杯)としています。
英国食品基準庁(FSA)では、1日あたりのカフェイン摂取量を200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するように求めています。
カナダ保健省(HC)では、1日のカフェイン摂取量を300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)に制限するようにいっています。
参照:厚生労働省
日本には海外のような基準は設けておりませんが、
産婦人科医によると、妊娠中はコーヒーなら1~2杯はOKという医師は多いです。
参照:ママ、あのね。
このコーヒーというのが種類はわかりませんが、
コーヒー1杯あたり60~90mg程度のカフェインが含まれています。
ですので、2杯となると120~180mgまではOKということになります。
カフェインの量的には英国食品基準庁の基準に近いくらいまでカフェインは摂取しても問題ないと言うことですね。
こういったことから、ココアを飲んでもカフェイン的に何の問題がないことがわかります。
ポリフェノールの過剰摂取になる危険性!飲み過ぎには注意!
ココアに含まれているカフェインよりも注意した方が良いのはポリフェノールです。
ポリフェノールを毎日過剰摂取していると胎児動脈管早期収縮を起こす可能性があります。
極めて稀なケースではありますが、胎児が心不全になったという報告もあるため、
ポリフェノールの過剰摂取には注意しなければなりません。
参照:うしじまクリニック
胎児動脈管早期収縮というのは、
胎児だけが持つ動脈管が収縮して閉塞する症状で、
通常は出生後に閉じる動脈管ですが、出生前においても動脈管が狭くなったり閉じたりすることがあります。
ポリフェノールを多量に摂取することで動脈管が早期に閉鎖する可能性があり、
胎児の動脈管が早期に閉じると肺への血流が増加し、
その結果、肺や心臓への負担が増して、胎児の命の危険に関わることがあるのです。
参照:健達ねっと
ポリフェノールの過剰摂取はどこからが過剰なのかという明確な基準は今のところありませんが、
毎日500~1000mgのポリフェノールをとっていた症例が多いと報告されています。
ポイントとしてはたまに摂りすぎているのではなく、毎日摂りすぎているというところがポイントになります。
どれくらいの量飲んでもいいの?
ココアに含まれているポリフェノールは森永純ココアの場合、
1杯(5g)あたりに180mgのポリフェノールが含まれています。
これを1日に3杯飲むと540mgのポリフェノールを摂取することになり、
症例が多かった500~1000mgを毎日摂取していた場合の量になってしまいます。
たまに3杯飲むのは問題ありませんが、毎日3杯以上飲むのは避けた方が良いでしょう。
続いてカフェインについてですが、カフェインの多く含まれるピュアココアの場合でいくと、
1日に200mgまではカフェインを摂取しても良いとのことなので、
20杯はココアが飲めるということになります。(20杯は多い気がしますが)
※牛乳ではなく水やお湯でつくった場合です。
ただし、カフェインはココアだけでなく、コーヒーをはじめ
緑茶、ほうじ茶、抹茶、紅茶、烏龍茶、コーラ、栄養ドリンク、エナジードリンク、チョコレートなどにも含まれていますので、そのことを考えて飲むようにしてください。
ピュアココアには砂糖が含まれていませんので砂糖を気にする必要はありませんが、
ミルクココアの場合だとどうでしょう?
森永ミルクココアの場合、1杯(20g)に糖質は13.8g含まれています。
参照:MORINAGA
バンホーテンココア缶タイプ(185g)中には18.5gの糖質が含まれています。
参照:アサヒ飲料
小岩井ミルクココア缶タイプ(280g)中には25.2gの糖質が含まれています。
参照:KIRIN
糖質の量的にはコーラやカルピスなどの清涼飲料と同じくらいの糖質が含まれています。
この砂糖が含まれているココアの場合は1日にどのくらい飲めるのかというと、
世界保健機関(WHO)によれば、
成人及び児童の1日当たり遊離糖類摂取量を、エネルギー総摂取量の10%未満に減らすよう勧めている。また5%まで減らして、1日25g(ティースプーン6杯分)程度に抑えるなら、更に健康効果は増大する
引用:食品安全委員会
と言っていますので、この健康効果の増大を図るのであれば、1日の砂糖は25g以下なので、
森永ミルクココアの場合だと、1杯程度は飲んでも良いということになります。
ただし、おやつなどの間食をする場合は、すぐに25g以下という制限をオーバーすることになります。
おやつに含まれている砂糖の量を一部ですが見てみると、
ショートケーキ(100g)に砂糖32g程度
あんぱん(80g)に砂糖26g程度
大福(70g)に砂糖12g程度
シュークリーム(70g)に砂糖9.2g程度
プリン1個に砂糖16g程度
アイスキャンディー1本に砂糖16g程度
含まれています。
参照:いずみ中央歯科医院
プリンやアイスを1つ食べただけで16gもの砂糖を摂取することになります。
それに加えて、ココアを1杯飲むと25g以下という数値を超えてしまいますね。
では、エネルギー総摂取量の10%未満というWHOが勧めている量にすると、
1日の砂糖摂取量は50g未満までは摂取しても良いということになります。
これだと、間食(おやつ)を摂った場合でも、
ココア1杯程度は飲んでも問題なさそうです。
なお、日本人の1日の砂糖摂取量の平均は69gと言われています。
参照:NATIONAL GEOGRAPHIC
例えば、小岩井ミルクココアを1本飲んだとすると、25.2gの砂糖を摂取することになります。
そこにプリンを1個食べると合計で41.2gの砂糖を摂取することになります。
これがプリンではなくケーキだとすると50g未満という数値は超えてきます。
ですので、砂糖入りで缶タイプのココアやペットボトルのココアですと、
毎日飲むのは控えて3日に1本や1週間に1本程度で抑えた方が良さそうです。
森永ミルクココアの場合においても、毎日飲むのであれば、
1日1杯にとどめておいた方が良さそうです。
※おやつを食べている前提での話です。
つわりなどでどうしてもココアしか飲めないということであれば、
砂糖のことはあまり気にせずココアを摂取すると良いと思います。
というのも、つわりはずっと続くわけではないため、
つわりが終わった後で調整すれば良いです。
ポリフェノールについては、妊娠中期あたりから気をつければ良いでしょう。
参照:胎児動脈管早期収縮の診断と管理
砂糖を摂り過ぎるとどうなるの?
砂糖を日常的に過剰に摂取していると、
ママの肥満のリスクや糖尿病のリスクなどの生活習慣病のリスクが高くなります。
それだけでなく、ママの心臓病のリスクも高くなると言われています。
参照:アスゲン製薬株式会社
影響はママだけでなく胎児というより生まれてくる赤ちゃんにも影響があると言われています。
呼吸ケアクリニック東京によれば、妊娠中に砂糖を過剰摂取していると
生まれてきた赤ちゃんのアトピーやアトピー性喘息のリスクの高さと関係していたというのです。
参照:呼吸ケアクリニック東京
ですので、日常的に砂糖を過剰摂取することは控えてください。
なお、菓子パンにもたくさんの砂糖が使用されていますので、
毎日菓子パンを食べるというのも控えた方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ココアにはカフェインが含まれていますが、
カフェイン量の多いピュアココアでも5gあたり(およそ1杯分)10mgしかカフェインは含まれていません。
この量は緑茶や紅茶よりもカフェインが含まれていません。
ですので、砂糖が入っていないココアに関しては
1日に数杯飲んだとしても特に問題はないでしょう。
しかし、砂糖入りのココアの場合は、それだけなら数杯飲んでも問題はないでしょうが、
おやつを食べるのでしたら、1日に1杯程度(100ml程度)でとどめておいた方がよく、
缶入りのココアやペットボトル入りのココアの場合は1週間に1本など間隔をあけて
摂取するようにした方が健康のためになります。